「進撃の巨人」最終話の感想(前半)
今、2/3ほど読み終えたところか? 正確にはわからない。知りたくもない。
映画もなるべく残り時間を気にしないようにする。 本は厚みでわかるからダメだ。
あとどれくらい残ってるかなんて知らない方がいい。人生もしかり。
まあ、人それぞれなんだろうけど。
ミカサ「もう… 行くね」
アルミン「え? …どこに?」
ここまで読んだ。ミカサはどこに行くのだろう?
厚紙のおかげで(前回の記事を参照してください。)、このコマの先は目に入っていない。
うん、この辺で一時停止すべきかも。
「一気に読んでしまうのはもったいないから、途中どこかで中断して、”ここまでの感想&ここからの予想”を書こう」という考えを実行に移すことにした。
では、ここまでの感想から。
まずは驚いた。故郷の街、いつもの川べりに座って普通に話してるエレンとアルミン。
しかも、何だ、この会話の軽さは。
まさかの「物語が初めに戻って、繰り返し」!? それはないと予想したのに、ハズれたのか!? いやいや、それだと完全におかしくなる。破綻する。ありえない。
ありえないと思いつつも半信半疑で読んでたのは「それは僕じゃなくてミカサに言うべきだよ あんなでたらめ言って傷つけて…」まで。
次のエレンの「あぁ… そうだよな」でひっかかりを覚え、次のページで確信した。
二人の暗い表情でわかった。あの頃に戻ったわけではないと。
ほっとしたような、残念なような… なんとも言えない気分。
さらに次のページ、二人はいわゆる霊体のような状態で自由に空間を移動していることがわかる。現実の空間かどうかは不明。
「炎の水」って「川のように流れる溶岩」だったのか。なんとなく、海底火山から噴出する熱水をイメージしてたけど、確かに「景色」として見るならそっちだね。
「故郷を焼かれ 親も殺され…」
はい、そこまではわかってた。でも、「舌を抜かれた」とは…
くそ!不覚だった。他の人が舌を抜かれるシーンはあったし、考えてみれば確かに奴隷は皆言葉を発していない。気がつくべきだった。
舌を抜かれるコマにはユミルも描かれていたのだから、推して知るべきだった。
ユミルも舌を抜かれた、と思い至らなかった理由は…
豚を逃がした犯人としてその場の全員がユミルを指さす(言葉を使わずにジェスチャーで示す)という場面を一種象徴的に、彼女が受けたむごい仕打ちーーーー奴隷仲間にさえ疎外されていて濡れ衣を着せられた、という仕打ち(ユミルが犯人だったのにも軽く驚ろかされた)を強調する手法として理解してしまったのと、もう一つは、セリフ書かれてるのはフリッツ王だけで、他は奴隷のみならずとも、どの人物もセリフがないってこと、この2つのせい。
つまり… やっぱりうまいな、作者。またやられてしまったよ。
ああ、気持ちいい。
えええええ、舌まで抜かれたのに「愛していた」の?
「愛」なんだろうなって読みは当たってたけど… ユミルが受けた仕打ちが考えていた以上に酷かったので、なんか嬉しくない。むしろ、ユミルってバカじゃんって残念な気がした。DV男に尽くす女じゃん(笑)
今、「DV浮気男」って書いて、「浮気」を削除した。
玉座に女たちを侍らせていちゃいちゃするのを「浮気」と書いていいのか自信がない。王が女たちとの間に男女の関係があったどうかは不明なので。
(大抵の人は、「あったに決まってる!」って言うんだろうけど。)
究極のパワハラDV男に尽くして二千年余り…ってことか。
ああ、男女のことはわかりません。
舌を抜かれていたと知っていれば、ユミルが王を愛していたという読みへの自信は、もう少し揺らいでいたかも。
つくづく… 愛は苦しいね…
って思ってたら…
「愛の苦しみから解放してくれる誰か」が現れたって、それはエレンに決まってるって思ってたのにミカサ!!
そう来るか!
「オレもまだ… ミカサが何をするのかは… わからない」
というエレンのセリフにより、この二人の会話がどの時点なのか大体わかった。大体ね。
続くエレンの「真相」告白…
「みんなを…オレの大切な仲間を… 生き残れるかどうかもわからないまま 戦いに巻き込んだ」、その理由、目的が明かされる。
そうだったのか… そういうことね、と納得。
で、またビックリ。あの「幼いやつれたベルトルト」が、ここで登場。まさしく予想外。
ダイナの巨人をエレンの家に向かわせたのは、エレンだったってこと!?
…そ、それはないよね、「エレンの家に」じゃなくて「街の方に」だよね。
あるいは「向かわせた」の主語はエレンじゃなくて、ユミルだ… と思いたい…
それか、「始祖の力」か…
しかし、あのアルミンの反応はただごとではないからな~。
「すべて…その結果に行き着くためだけに」、エレンが自分の母親を食わせたのか…
なんという…
ここでちょっと迷いが生じる。
この物語を全肯定して酔いしれるべきか。
それとも、不満から目を背けず、是々非々とすべきか。
迷った。大抵のことは51:49で決まる(by 諌山bot)。
前者を取ることにした。人生は楽しもう。
楽しむことにしたから、「お前ら」とサシャが最後の挨拶に来たのも喜ぼう。
「お前達に止められる結末がわかってなくても オレはこの世のすべてを平らにしてたと思う」
よし、エレン、よくぞ言った! それでこそエレンだ。と喜んでたら…
来た~~、ここで来たね、気になってたグリシャの顔…!
「…何でか わかんねぇけど… やりたかったんだ… どうしても…」
グリシャのセリフ「エレン… お前は自由だ…」
で、またニーチェが気になって、竹田青嗣さんの「ニーチェ入門」を読んだりするから、先に進めず。
やっぱり、船に来ていたあのカモメはエレンだったか!と、それは嬉しいんだけど、まさか、あの時にエレンとアルミンが話していたとは予想できず…
また気持ちよく「やられた」ね。
ミカサはエレンの生首を、まるで赤子を抱くように抱いている…
号泣したのもアルミンだけで、ミカサは泣いていない…
これらもまた、ユミルを「愛の苦しみ」から解放したミカサの、ミカサだからこそ成し得た理由を示唆する描写なんだろうね。
ふと、1巻の「ごめんなさい エレン… 私はもう… 諦めない 死んでしまったらもう…… あなたのことを 思い出すことさえできない」を思い出した。
このセリフはエレンが死んでしまったと思っているミカサの言葉。
そして、そこに描かれているのは、居眠りしているエレンを起こす、あの木の場面だ…
最終話のタイトルは「あの丘の木に向かって」……
ミカサがユミルを解放、巨人の力がこの世から消え去る。
予想通りだったけど、ジャンが人間に戻って嬉しいはずなんだけど… 嬉しくないね。
悲しいね。エレンの本当の目的は、やっぱり「巨人のいない世界」だった。
自分の母親を巨人に食わせることになろうとも、人類の8割を大虐殺することになろうとも、仲間に狂ったと思われようとも、そこに向かって突き進むしかなかった。
ミカサに「オレは…ガキの頃からずっと ミカサ お前がずっと嫌いだった」と大嘘をついて泣かせても。
第112話を確認して気づいた。「ずっと」を2回も言ってる…
(こういうところも、本当にうまいな~~!)
ああ、悲しすぎる…
エレンとミカサの愛は悲しすぎる。
けど、ガビがファルコ投げ飛ばしたのは面白い。ガビ可愛い。
ガビは巨人のままでいいなんて言ってごめん。そうだよね、未来を担う子供たちを生かさないでどうする。
しかも、ガビは特別な子だ。人々がどうやって憎み合い、殺し合うかを知っている。
自分の中に悪魔がいて、その悪魔はみんなの中にもいて、どうしたらいいのかを知っている。
しかし本当に、諌山さんは「愛」の描き方がうまい。(進撃における「恋ばな」について、そのへんもまた別の機会に詳しく書きたい。)
ほんと不思議なんだけどさ、ファルコは何でガビなんかが好きなんだろ?(笑)
進撃はライナーの物語じゃん?という感想を私に抱かせた、そのライナーが母親に「ずっと…ごめんね ライナー… これ以上何も…いらなかったんだよ」と言われる。
ああ、どこまでも、しっかりと「マザコン」を描く。すばらしい。
エレンがダイナの巨人を自分の母親に向かわせた、ということを明かしてすぐの、それとは対照的なこの母と息子のシーンだよ…
もちろん、エレンがふつーにマザコンであることは通底音で、最初からずっと主人公が進む動機のひとつとして物語を支え続けてきたのだけど。
で、この感想を書き始める直前に読んだところ、「もう… 行くね」「え? …どこに?」の先を読んだ。
ミカサがどこに向かうのかもわかった。あそこか…
やっぱり、あの場所なのか。
「このまま ここにいたら きっと… エレンは きちんと埋葬させてもらえない」というミカサのセリフを読んで、「泣いた赤鬼」という童話を思い出した。
僕と君とが仲良くしていては、村の人たちが怪しむだろう… という手紙を赤鬼に残して、「どこか、遠いところへ」行ってしまった青鬼。
そうか、エレンは青鬼だったのか…
「あ、青くん…」とつぶやいて、いつまでもいつまでも泣き続けた赤鬼。
ミカサは… まだ泣けない…
立体起動装置と刃は外した。地面に落ちたガシャリという音が聞こえてきそうだ。
……マフラーはどうするだろう。
エレンの生首を風呂敷みたいにして包むのかと想像してちょっと笑った私は不謹慎か ?
さあ、ここからの予想は…
うーん、今回はいっか。
最終話を読む前にさんざん自分にお預け食らわせて感想書いたり予想したりするの楽しかったけどね。
正真正銘、これで最後だから… 残りの分はもう予想を立てずに読んじゃおうと思う。
今日は午後ずっとキヨさんの「LITTLE NIGHTMARES」実況を視聴してたから、これ書きながら、文章がキヨさんの口調に変換されて脳内に響いてる(笑)
ーーー最終話の感想(後半)に続くーーー